女性ならば年齢問わず受けておきたい人間ドックの検査項目として、子宮がん検査があります。子宮がんは腫瘍ができる部位によって、大きく2つに分けられます。子宮の入り口のくびれ部分にできる子宮頸がんと、子宮本体にできる子宮体がんです。このうち、患者数の割合は子宮頸がん:子宮体がん=2:1となっています。
ただ、近年では子宮体がんにかかる女性が増える傾向にあります。子宮頸がん、子宮体がんはともに初期症状がなく、進行に伴い不正性器出血や茶色・ピンク色のおりものなどの症状が現れます。子宮頸がんの方は性行為の時に接触した際に出血が見られることもあります。人間ドックを受けなくても、最近では子宮頸がんに対しては集団検診が一般に広まったおかげで、早い段階での発見が可能になっています。
子宮頸がんの手順として、子宮頸部を綿棒やブラシで擦り、細胞を採取して異常の有無を診る擦過細胞診(さっかさいぼうしん)が行われます。擦過細胞診で異常が発見されると、次に膣鏡診(クスコ診)・膣拡大鏡診(コルポスコープ診)が行われます。この時、腫瘍マーカー(SCC)を調べることもあります。子宮体がんの方も最初にチューブやブラシで子宮内膜細胞を採取して、子宮内膜細胞診という病理検査を行います。
異常が疑われたら、もう少し大きい細胞を採取して行う病理検査の子宮内膜組織診が行われます。腫瘍マーカー(CEA・CA125)を使った検査が行われることもあります。人間ドックではさらに超音波・CT・MR・PET-CT・子宮鏡検査などを受けることが出来ます。